ACP(アドバンス・ケア・プランニング)=人生会議
2018年11月、人生の最終段階の終末期にどのような医療やケアを受けるか事前に家族や医師などと話し合いを重ねる過程を指す「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」が、人生会議という愛称で呼ぶことが決まりました。
ACPという言葉がケアの現場で頻繁に出てくるようになった頃、急に「人生会議」と言う愛称になった印象です。また名前が変わったと、話題に上がっていました。
2018年3月の人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書で、「人生の最終段階における医療について家族等や医療介護関係者との話し合いについて」 55.1%が話し合った事がないという結果だったので、厚生労働省は国民への普及を図るために愛称をつけたようです。
以前はACPのような考え方はなく、尊厳死協会に入ったり、終末期医療事前指示書を書いたりして、意思表明をされていました。
過去に携わらせていただいた高齢者で、終末期医療事前指示書を作成されていた方は数名いらっしゃいますが、全て女性でした。
その中のお一人に100歳近い方もおられました。
その方は、銀座生まれの銀座育ち、子供が小さい頃はPTA会長も務められ、都会的でしっかり者のお母さまだったそうです。息子さんがお母さまを語られるときの表情はとても温かく、親子関係の良さを物語っていました。
その事前指示書は縦書きで手書きでした。パッと見ただけで意思の強さが感じられ、感銘を受けた看護師が何度も読み返しているほどでした。
しっかりした事前指示書があったので、家族が微塵もぶれることなく、最期まで経口摂取のみ・痛み刺激なしの生活を選ばれ、Aさんらしく過ごされました。
私は最期の日にお会いできませんでしたが、息子さんが「大満足、ありがとうございました。」と、施設職員と握手をして回られたようです。家族の悔いのない姿を知り、立派なお母さまだと感服いたしました。
自分亡き後、家族が迷わず続きの人生をスタート出来るようになってほしいと私も常々思っています。しかし実際は、ACPは未完成のまま放置していました。
そして、突如新型コロナウイルスが現われました。そうこうしているうちに、正体不明のウイルスを施設で看なければならない可能性が出てきました。万が一の事を考え、放置していたACPを早急に完成させなければならなくなりました。しかし、既に使用していたシートは手順を慎重に踏んでいくタイプで、私には合わないことが分かりました。初めてACPを考えた人に向いているように思います。
いろいろ探しましたが、長崎のNPO法人のシート(私の「これから」をデザインする手引書)がシンプルで書き易く、完成させることが出来ました。日頃から家族とACPについて話し合っている人には向いているシートかもしれません。
書いた内容を夫と確認すると神妙な雰囲気になりました。日常会話とは違う重みを感じ、文章にする意味がよく分かりました。
特養入所時に、終末期医療・急変時医療の希望を確認していますが、ご本人の意思がはっきりしている・ご家族が十分話し合えている方はやはり少ないです。
平成27年から、原則、特養への新規入所者を要介護度3以上の高齢者に限定され、より中重度の要介護者が入所されています。また、特養の平均的な入居期間は4年と言われています。
入所前には、家族でACP=人生会議を開いて頂きたい。ご本人がしっかり意思を伝えられない状態かもしれませんが、お元気な頃の発言などを思い出し家族でしっかり話し合われることは、ご本人が最期までその人らしい生活を送るためにとても大切だと思います。
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