» <第2章>Vol.21 高齢者に高度な優しい病院

高齢者に高度な優しい病院

 

 

私は後期高齢者でがん患者である。月2回は病院に受診する、病院は大病院で患者さんの事がよく考えられており、出来るだけ短時間に様々な手続きが行われるよう工夫がされている。それでも家に帰るとひどく疲労を感じ早々に横になってしまう。

最近は一人で通院はとても困難で妻が車で送迎し付き添ってくれる。私は座っており、妻は会計や病院の外にある調剤薬局に行ってくれる。ほぼ同い年の妻も付き添いでかなり疲れる様である。病院受診は元気でなければなかなか難しいと実感している。

 

老健では利用者が専門医への受診が必要な時は御家族に電話し受診理由を説明し納得していただき紹介状を書いて受診していただく。出来るだけ受診日は午前中の早めに受診していただくのだが、ほとんどは初診なので施設に帰ってくるまで長時間を要する。

9時ごろ出発し午後3時過ぎに帰られることもまれではない。昼食などは何か食べたかととても気になる。コロナ禍でもあり出来れば受診をさせない様に老健で出来ることをするのであるがどうしても受診せざるを得ないこともある。若い時には病院に長年関わった私がそうであったように高齢者の病院受診の本当の辛さはわからないと思う。超高齢化社会となり大病院は高度な治療を目指すと共に高齢者に対しては疲労しない高度な優しさを目指してほしいと願うものである、同時に老健では日頃医師がご家族とよく話し合いをもち高齢者に沿った医療について理解を高めておくことも必要と感じる。

 

 

 

 

 

 

私は抗がん剤治療やそれによる副作用に対する治療を受けており8種類の薬剤を服用している。薬剤の副作用の中には「悪夢」と記載されているものもある、その為かよく夢を見るようになった。そのほとんどは嫌な夢であるが起床と共にその内容は殆んど忘れてしまう。悪夢ではないが夢を見て内容をはっきり覚えているものもある。

 

私はマイクを持ってインタビュしている。小学生に聞く「君は将来何になりたいの」

 

「老健のお医者さん」、「どうして」 「おばあちゃんのところに行ったら先生がいてカッコよかたから」、予備校に通っている学生に聞く、「どの学部を受験するの」 「医学部です。」「どうしてですか?」「介護の分野に行きたいと思っています。」どうして」、「これからますますお年寄りが増えてくるからです。」医学部の学生に聞く「将来はなに科を希望するのですか」

 

「内科で認定医を取り、出来れば臨床的な研究を行い、勿論その間臨床も行い45歳ぐらいになったら老健の管理医師になりたいです。」「どうして」 「お年寄りの臨床や介護について興味があるからです。」病院で定年マジかの医師にマイクを向ける。「定年後はどうするのですか」  「この近くの老健の管理医師になりたいと思っています」。「どうしてですか」

 

「週4日勤務で5時ごろ帰宅できるので自由な時間が増えて、妻と小旅行を楽しむことが出来そうだからです」。 此処で夢から覚めた。

そして 何故か この夢は

今も覚えている。

 

 

 

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