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1. 老健施設の特徴

介護老人保健施設(老健)は在宅復帰施設に位置づけられており、自宅へ帰る事を第一目標として、看護、介護のに加え理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などとリハビリにも力を入れています。
老健はでは入所定員100人あたり最低1人の医師(管理医師)が常駐し、利用者の医療ケアや健康管理、緊急時対応などを行うことが義務づけられています。一方、特別養護老人ホーム(特養)は在宅での療養が難しい高齢者のために作られ、入居したら看取りまで過ごしたいと希望する人も多いです。
医師の配置は義務づけられているものの、非常勤でも可能なため、実質施設で診察などを行うのは週に2~3回程度という場合もあります。

2. 管理医師の役割

管理医師は、そこに入所又は通所している利用者の病状を安定した状態に保つことが第一の役割です。医師は診断や診療を行うだけでなく、看護や介護・リハビリのアドバイザーとしての役割も担っています。3カ月に1度の入所判定も行う場合もあります。看護師、介護職員から利用者の状況を聞き、一人ひとりの状態を把握し安心した自立支援を行っていきます。
老健では少数精鋭での「チーム医療」が求められ、各入所者の主治医や近隣病院との連携も必須となります。
それには管理医師の役割がとても重要です。

3. 介護老健勤務の診療

老健の診療は介護保険でカバーされています。介護報酬は包括払いになっており、利用者に医療的な介入をしても、施設の持ち出しになってしまう事があります。

老健施設の医療として保険で認められているのは、重篤な緊急治療や、肺炎、尿路感染症、帯状疱疹のみです。画像診断は認められていますが、高額な機器故無い施設もあります。血液検査や検尿などの検体検査は介護保険では請求できません。その辺りの兼ね合いを見ながら、早い段階から異変の気づき、診察をしていく事が重要です。もし診療が難しい場合は、関係医療機関に送る判断を行います。

老健には病院のような高度な医療設備はありません。利用者の状態を目で見て、肌で感じて診察する必要があります。高齢者特有の病気や持病の悪化、感染症などに対応するため、幅広い知識が求められています。

4. 薬剤師との連携

老健施設では介護保険による包括化ですので、保険診療とは異なります。それ故、低薬価のジェネリック医薬品を基本使用しています。利用者が入所するにあたって、以前の医療機関で処方していた薬について、よりコストの安いジェネリックへ変更することもあります。その際に大きな力になるのが薬剤師です。特に高齢者は薬による副作用をケアしなければなりません。薬剤師と連携し、利用者の様子を見ることで、逆に薬を減らし、良くなるケースもあります。

平成27年度に公益社団法人全国老人保健施設協会が実施した「介護老人保健施設における薬物治療の在り方に関する調査研究事業」によりますと、入所者1人1日あたりの薬剤費のデータを再度分析し、入所時と入所2か月後について、1日1人あたりの薬剤費等を算出したところ、老健施設の入所を契機に薬剤見直し(薬剤種類数の減少、ジェネリック率の上昇)がなされ、さらに1日あたりの薬剤費についても減少しており、老健施設の入所により薬剤費が抑えられる(薬剤費の適正化)という結果が報告されています。薬剤師と上手く連携することで、利用者、施設双方にメリットがあります。

5. ターミナルケア

介護老人保健施設の役割は自宅での生活に戻れるように自立度を上げるための介護、リハビリを行います。利用者の自立に向けての医療という点が病院の医師の役割とは異なるところです。

しかし、現在では超高齢化が進み、ターミナルケアのニーズも高まってきています。医師がご家族に病状を説明し、利用者側が施設での「看取り」を望んだ場合に、老健施設でターミナルケアを実施しているところもあります。

「看取り」では医師が核となり、ご家族、職員が方向性を話合って理解し合う事が重要です。

医師の役割は経過観察や指導を行い、亡くなられた時には死亡診断を行います。

平成24年には「介護老人保健施設における看取りのガイドライン」も出され、現在はターミナルケア加算が算定できます。

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