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看取りと介護職員

 

 

 

終末期の利用者について検討する委員会があり、施設でお亡くなりになった

利用者の看護、介護についても話し合う。

この話し合いで二つのことを感じたことがあった。

 

一つは看護師と介護職員との間で違いであった。

 

委員会のチーフである看護科長は、亡くなった利用者に関し様々なことを

行ったことにより、家族の満足感が得られたことなどを職員の共通のやりがいや

喜びとして話され共感を覚えた。

 

しかし、介護職員の一人に意見を求めると、「正直言うとなんだかわからなかった」

という答えが返ってきた。

彼の感想を聞いて違和感を持ったが、後から考えると正直な感想ではないかと思った。

医師や看護師、特に看護科長は利用者の病気について理解しており、

その上で利用者や家族とのコミュニュケーションが取れている。

 

しかし介護職員は介護に関係している病状は認識しているが、病気に関しては

家族とのコミュ二ケーションをとることはないと思われる。

終末期の状態では利用者と話は出来ないし、利用者が元気なときと比べて

家族と話す機会は少なくなってくる。

しかも勤務のスケジュールも継続していない。

 

介護職員はそれぞれの利用者に対応し介護してくれる専門職であるので、

感想は当然の様にも思えた。

 

医師や看護師は、終末期の利用者の経過を知っているので、連続した線として

とらえており、一方、介護職員は点として捉えており、専門性の視点や

業務内容が医師や看護師とは異なるためと思われる。

 

私は何人かのベテランの介護職員を見て、職人という言葉を思い出すことがある。

介護の大切な仕事に排泄の世話がある。

認知症の人が失禁するようになると、家庭で世話することが困難となる。

介護職員の中にはその世話を実に手際よく行い、まさに職人技である

認知症の利用者の介助で大変なことであっても、何事もなかったように

他の利用者の世話に行く。

 

私はステーションで仕事をしながら、何となく見ていて彼らの身のこなしに感嘆することがある。

昼休みに休憩室でスマホを見ている彼らは、どこにでもいる若者の様でもある。

これぞプロと思ったりする。

 

彼らの素晴らしさにもっと光を当ててよいのではと思う。

 

 

 

 

話を元に戻そう。

 

 

 

医師や看護師は長く勤務していれば、人の死に遭遇する機会は多くなり、

好ましい言い方ではないが慣れているといえる。

 

 

しかし、人の死に遭遇する機会の少ない介護職員は、慣れていないので

利用者が亡くなると当然、驚いたり、緊張したり、辛い思いをすることもあると思う。

 

 

 

私自身は、介護職員によっては利用者の死を悲しく思う純粋な気持ちを

抑えられない状態を見て、自分が忘れ去っていたものが蘇るのを感じることもある。

 

 

 

これから、国の方針もあり、老健で看取ることが増えて、介護職員も人の死に

立ち会うことが多くなるのであれば、そのための介護としての教育も必要と思われる。

 

 

 

介護職員が仕事として、人の死に冷静に対応するには時間が必要と思う。

 

 

 

 

終末期の介護は今後、介護職員の大事なテーマとなり、介護学としても

確立する価値があるものと思われる。

 

 

 

 

そういえば、看取りを行うことになった利用者について個々で話すことはあっても、

医師、看護、介護で共にミーティングを行わなかった。

 

 

 

大事なことではと思う。

 

 

 

 

もう一つは老健の経営上、看取りにより介護報酬が得られる。

 

 

 

 

国は医療費の問題もあり、老健での看取りを推進しつつある。

 

 

 

危惧として、老健は報酬の為に看取りを行うことがあってはならないと感じている。

 

 

 

老健で介護を提供しリハビリにより在宅復帰を目標にし、在宅復帰が出来れば

短期入所やデイサービスを利用し、老健が家族と共に歩み、その上で終末期を迎え、

利用者や家族の希望により老健で看取ることになり、その結果として

老健が介護報酬を得るということになってほしい。

 

 

 

 

 

これが逆になると、経営の為に看取りを行う方策を考えることになる。

 

 

 

介護職員の存在や介護とは何かを再度問われているように思う。

 

 

 

 

 

 

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