» Vol.51 老健における看取りの推進

老健における看取りについて現状から考えてみたこと

 

 

 

老健で看取りを行うと介護報酬が加算される。

 

 

看取りの推進と受けとるが現状は病院で亡くなる人がほとんどで、

老健などの介護施設での看取りは増えてはいるが依然として

少ない状態です。

 

老健本来の目的である利用者の在宅復帰がなされ在宅での支援を受け

その後、施設への入退所を繰り返し老健と関わりながら終末期を

迎えた時、信頼関係のもとに家族は老健での看取りを選択肢として

とらえることが理想だと思います。

こう考えると在宅復帰と看取りは関連していることがわかります。

 

老健の経営上最も大事なベッド稼働率に負の影響を与えず、

老健を有効に活用するには看取りの推進が考えられます。

高齢でなんらかの疾患に罹患している利用者が、様々な理由で在宅復帰

出来ず終末期を迎えることは少なくありません。

 

この時、すぐに入院とする施設もありますが、そうではなく本人や

家族の希望を尊重し老健での看取りを選択肢の一つに加えることです。

定額で行われる老健での看取りは入院とは異なり、費用が嵩むことが

ないので家族は更なる経済的な負担を背負うことはありません。

 

特に老健における介護は病院では得られないものがあり、何より

慣れ親しんだ職員による看護や介護が受けられることは利用者や

家族にとって安堵となると思います。

 

管理医師は利用者の状態の悪化時に回復の可能性があるなら入院を勧め、

老衰などにより回復が望めない時には家族に丁寧に説明し病状を

理解してもらい強要することなく老健での看取りの希望を聞く

ことになります。

老健が看取りまで行う施設であることが明確なら、家族は利用者の

意思を確かめておくことも可能と思われます。

 

老健の医師は日勤なので臨終に際し医師不在も有り得ますが、

私の経験では臨終に際し医師や職員と家族との信頼関係により

医師不在が障害となったことはありません。

実際には終末期にこのようなことがあり得ることを事前にご家族に

十分に理解していただいた利用者が午前二時に亡くなられ、

私が朝出勤後に確認したこともあり法的にも問題はありません。

 

終末期に老健での看取りを希望した家族は、入院の不安から

解放されます。

医療は安楽な終末を前提とすることになり老健で行うことは十分可能です。

病院と異なりやらねばならぬ医療から苦痛を伴わない、負担が少ない

やらない医療に転換することになります。

これは大きくみると国の医療費の削減になると考えられます。

 

看取りは設備が整っていること以上に医師や看護師、介護職員の

熱意が必要だと感じています。

施設が看取りを行うことに不安感を持つ職員もいると思いますが、

熱意があれば経験により力量はついてきます。

 

看取りにより老健での医療や介護、看護の従事者の専門性が高まり、

それにより老健の存在意義は高まり施設の発展につながると

考えています。

 

 

 

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