» <第2章>Vol.5 老健における医療

老健における医療 それは病院とは異なることを知る必要がある。

 

 

病院は医師を頂点とするヒエラルヒーの世界である。 

そのほうが医療上有効である。

看護師は医療においては医師の指示のもとに働く。

看護師と医師の職種の区別は明確である。

 

老健はどうであろうか。 

利用者、家族を取り巻くように各職種が同じ平面上に位置することが

求められている。 

医師と看護師との関係もお互いを尊重した連携が必要である。

そうでなければ医師一人で100人の何らかの疾患に罹患している高齢者を

診ることは不可能である。

また夜間、医師は不在なので利用者が急変時には看護師が采配を任される。

このようなことから看護師は医師のパートナーと言っても過言でない。

 

パートナーである看護師は医師の足りない部分を補ってくれるし、

看護師の意見を聞いて医師が医療の指示を出すこともある。

これらは老健という医療環境の中で利用者に間違いのない

有効な医療を行う為に必要なことである。 

病院で当たり前に行われている医療が必ずしも高齢者にとって

適応とはならない難しさがある。

介護上の問題や高齢及び認知症に由来する様々な症状に対する対応は

老健で働く医師や看護師、介護士の連携のもとで行われるのであるが、

良き連携を構築することは老健の医師にとってやりがいのあることであり、

連携にあたり介護職員も医療の戦力となりえることを医師が知ってほしい。

高齢者や認知症の個々の利用者に関して医師が知り得ぬことも多くあり

様々な職種の意見を取り入れて医師は結論を出すことになる。

認知症の高齢者や終末期の高齢者は通常の医療通りには行かないことが

少なくない。既存の医療にそぐわない高齢者医療は管理医師の専門性が

発揮できる領域と言える。

管理医師には他の職種の意見を真摯に聞く度量が必要とも言える。

もし、老健における医師が病院と同じような考えであるなら

多くの混乱を招くと思われる。

老健では必ずしも臨床に精通した医師が管理医師として勤務している

とは限らない。この場合、施設の医療が円滑に行われているとしたら

医師と主に看護師や他職種の信頼と連携がうまくいっている賜物であり、

医師が看護師などに依存するのではなく、その点をよく理解している

為であると思いたい。

 

老健での医師はパートナーである看護師の理解が得られないことは

行わないと考えたほうが良い。

これは一人の医師が多くの利用者を診られないことだけではなくて、

老健における高齢者医療は医師だけで判断出来ないことが少なくないからである。

看護師を主に、多職種の連携により可能な限り利用者に適した医療を提供したい。

こう考えるのも病院と異なる老健であるからのことである。

 病院とは異なる老健の医療の不明確さが老健の在り方や

医師、看護師、介護士などの人材不足や離職に無関係とは思えない。

私たち老健に勤務している医療従事者は過去に従事した健康保険領域の

医療を引きずって介護保険の領域に従事しているのではないであろうか。

介護を必要とする高齢者や認知症医療は病院やクリニックで行われる

医療とは異なることをよく考えて歩む必要がある。

 

 

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