若き日の院長の教えが高齢者医療に役立っている
大学卒業後、今の様な研修医制度はなく、インターン制度は廃止となり、卒後すぐに内科の医局に入った。
入局後1年ほどしたときに地方の市立病院に1年間出張となった。
その病院の院長は臨床医としての実力は大学でも評判が高かった。
初めて院長にお会いしたときのことを思い出す。「入院患者さんを診て、なんだかわかないことがあったら、何回も患者さんのところに行くように」とそれだけ言われた。
患者が入院すると院長がいつの間にか診察されていた。
週1回院長回診があったが、回診後の症例検討の際に診察所見に疑問があると中断し、院長は私を伴い患者のところに行かれることが頻繁にあり院長のフットワークに驚いた。
いつしか私もそれが習慣となり、不明な点があるとなんども患者のところに行くようになっていた。
本当は未熟な為に不安があり行くのであるが、患者は何度も医師が来てくれるので感謝された。
病院は忙しく野戦病院のようで院長も先輩医師も朝早く、日勤の看護師が来る前に気になる患者は診察し、看護師の朝の申し送り前には指示の記載は出来ていた。
これも私の習慣となった。なぜならその方が多くの入院患者さんを診るときには受け持ち患者全体の状態が把握でき、急な入院患者や予期せぬことが起こっても対応しやすかったのである。
今思い出すと看護師の印象はよくなり、お互いの信頼感も得ることが出来て効率よく楽しく働くことが出来たと思う。
老健に勤務し看護師や介護職員が利用者の変化を報告してくれると、ベットサイドに直ぐに行っている自分がおり亡くなった院長の教えが生きていると思う時がある。
看護師や介護職員は直ぐに反応してくれる医師には報告し甲斐があるのであろう、忌憚なくあれこれ報告してくれるので高齢者医療に大切な早期診断、早期治療に役立っていると感じる時がある。
若き日の院長の教えが半世紀以上も経つが身につき残っている。
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