» Vol.90 老健におけるアートの部分

介護におけるアート

 

 

 

医療にはサイエンスの部分とアートの部分があると言われる。

 

検査を行いその結果により治療を行うことはサイエンスの部分であろう。

患者の訴えをよく聞くと検査結果は問題ないが気になり経過を見ることにする、

其の後、異常が出てきた。薬を投与し解熱し症状は改善したがもう

少し治療を継続しておこうなどと思うのはアートの部分であろう。

 

医学は経験の学問と言われる。

患者の話を良く聞き診察により得た所見と共に多くの患者を診た

経験によるフィーリングは医療において大切なものと思っているが

これもアートの部分だと思う。

適切かどうかは疑問だが、介護についてもサイエンスとアートの部分で

考えることがある。

 

介護の対象は人間そのものである。

サイエンスとしての対応としてベルトコンベアーの機械のように

介護を行ったら利用者はどんな思いであろうか。

 

一律な個を重んじない対応は一見スマートで効率的であるが、

利用者は物と化す。介護者も介護に対する興味は持てず処理するだけになる。

一方、アートの部分では思い浮かぶのは職人が丁寧に気持ちを込めて

物を作るように一人一人の利用者を大事にして良く知り其の上で

個々を尊重し対応するなら、時間はかかるが介護の大切さや

喜びを実感出来るであろう。

 

家族と連携をとり、忌憚なく話すことも大事である。

医師、看護師、介護職員、リハビリなどの職員がこれらアートの部分を

探求し共有できれば真の連携につながると思う。

 

介護にはサイエンスでは割り切れないアートの部分が

多く含まれていると考えられ、これに接し感じ取れば介護職の興味は

尽きないのではないかと思う。

 

サイエンスの部分を生かし、効率よく物事を処理し運営し、

利用者の介護を行う上でアートの部分に出来るだけ時間が取れるように

したいものである。

そうすれば職員も介護の面白さ、奥深さを知り、ひいては介護を志す人が

増えてほしいという願いがある。

我々がまだ知らいない介護におけるアートの部分の発見があるかもしれない。 

 

アートの存在を意識することにより、介護業務に携わる人の考えを

転換するきっかけになるとよい。

 

 

 

 

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