» Vol.82 薬思い

薬思い

 

 

 

老健では介護報酬の中に一般的な薬などの医療処置が包括化されている。

そのために入所中に提供しなければならない日常管理的な医療は

施設が負担することになります。

 

高血圧、高脂血症の人が施設に入所してくるとほとんどの利用者は

今までと同じように治療します。

また、そのように本人や家族が望むことが多い。

 

ある利用者の一種類の薬剤をジェネリックに変更しました。

成分は同じなので家族には伝えなかったところ、御主人から薬が違っていると

すぐに問い合わせがあり、これには驚かされ反省させられました。

 

奥さんに会いによく施設に来られていた御主人が、

10種類以上ある薬剤をチェックしていたのです。

老健では持参された薬剤がなくなると薬価の安いジェネリックに変えて

継続投与することがほとんどです。

高額な薬、例えば認知症の薬は比較的高価です。

 

認知症の薬を頼りにしている家族を見ると、経過から薬の効果はないので

老健の経営を考えると中止したいと思ってもなかなか難しいものがあります。

高価な薬を継続する為に、退所して翌日病院で薬をもらって

その足で再び入所するケースもあります。

 

しかし、たとえ一日でも家族によっては、一人住まいの高齢な奥さんも

病気がちで一時退所が不可能な場合があるなど、このような時も薬について

苦慮することがあります。

薬は病院の医師が処方した薬ですが、

施設に入ると利用者を診るのは管理医師です。

 

管理医師から見て家族が継続投与を望む処方内容は、

必ずしも納得いくものとは限りません。

病院の医師は、紹介先が病院やクリニックであれば検査結果や

治療内容に関して詳しく知らせるのですが、老健施設には

簡単な情報提供書のことがほとんどです。

病気がどうなっているかを確かめたいと思っても、

再検査することは老健では経営的に負担となり不可能なこともあります。

 

病院やクリニックなどの連携(病診連携、病病連携)いわば健康保険領域の連携は

行われていますが、病院やクリニックと老健の連携、いわば健康保険領域と

介護保険領域の連携も重要であると思います。

御家族の希望で、クリニックなど受診時に紹介状を書いても

返事を頂けないことがあるのが現状です。

 

今後の老健を考えると、老健と医療機関との連携はますます必要となると思われ、

紹介状などを書くときは配慮したいと思っています。

 

 

老健施設で働きたい医師を募集しています

まずはコンサルタントにご相談下さい

先生の貴重なご経験を生かすにはまず、
こちらから!

老健管理医師として働きたい方
採用ご担当者様
お問い合わせはこちら

PAGE TOP