» Vol.81 老健の医療

入所者への医療

 

 

 

老健での医療はいろいろな決まりがあります。

日常の医療にかかわるいくつかを簡単に述べてみます。

入所後に行う日常的な医療についての費用は、

支給される施設サービス費に含まれており、しかも保険が利きません。

ですから、医療にお金が掛かりすぎると老健の経営に影響します。

もっと具体的に言うと高い薬を使うことが出来にくいということです。

 

医療上、とても困るのは認知症の薬、パーキンソンの薬、緑内障の点眼薬、

などが高い薬なので苦慮します。

肺炎などの感染症治療に際し、注射薬も薬価の安い薬を使用するようにします。 

通常、高い注射薬は施設の薬局には置いていません。

一般に使う薬は出来るだけジェネリックを使用します。

断っておきますが、安いので効果がないということではありません。

 

老健で勤務した当初は病院勤務時代に使っていた薬から

ジェネリックを使用するようになり薬の名前に慣れなくて困りましたが、

これはいまだに戸惑うことがあります。

 

長期間使い慣れた薬は多くの患者に使用した経験から、

薬名だけでその効果の感触を得ており、これが医療において大事であることを

老健に来て再認識しました。

高齢者や認知症医療に必要な薬は、もう少し経営を考えずに使用したい思いが

しています。 

抗生剤なども、高齢者は重症化しやすいので適応なら薬価の高い薬も

躊躇なく使用したいものです。 

 

殆どの老健ではレントゲン撮影は出来ません。

誤嚥や呼吸器感染症の時に胸部レントゲン写真を老健で撮れればと思います。

病院に依頼すれば長時間待ち、利用者は消耗して帰ってくることもあります。

 

胸部レントゲン撮影が出来れば、肺炎と診断し、

老健ではこれ以上の治療は難しいと判断出来れば

病院との連携により入院も円滑に出来るのではと思います。

もっとも、管理医師が胸部レントゲン写真を読影出来ることが必要ですが。

 

肺炎、尿路感染症、帯状疱疹は月一回、連続して7日間を限度に

所定疾患施設療養費として介護報酬が得られます。

肺炎などは7日間以上かかっても改善しないときは

入院の適応を考慮すると理解しています。

 

医療上の決まりの一部を述べましたが、

何故、老健はこのような医療の決まりになったのかは不明ですが、

実際に高齢者や認知症の医療は、専門分化した病院のシステムでは

対応出来ていないこともあり、老健での管理の範囲を超えた医療を

行わなければならないことがあります。

 

そのような時に医師として、医療における束縛感を感じ、

これは利用者にとって好ましくないと思っています。

 

 

 

 

 

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