「災い転じて福となす」の考え
ガバナンスという言葉がある。
ビジネスとしては一般的に使われていると思う。
ネットで調べると、「統治」、「またはその為の体制や方法という意味である」
とされていた。
それを老健に当てはめてみると、必要なことであると思ったが、その反面、
何となく、そぐわない感じもした。
それは老健が国による事業であり、人間を対象としているからなのであろうか。
決められた委員会などを設置し、充実させ利用者の為により良い施設を作る
ことが求められている。
一つ一つを地道に行うことにより、組織が形成され機能するのだと思われる。
良い組織はそこにいる人によると言われる。
しかし、人の問題は思うようにはいかない。
老健に勤務し、組織やガバナンスの考えを取り入れることも必要と思うが、
身近な問題の対応として「災い転じて福となす」の考えが大事なのではと
思っている。
老健は日常様々な問題が発生する。
「なんでこんなに」と思うぐらいである。
施設にインフルエンザが流行した。
災いである。
医師により適切な治療が行われ、必要なら接触があった利用者に
薬剤の予防投与を行う。
そのうえで施設長は早急に役職者を集め、短時間の会議が行われる。
そこでは何故感染したのか、拡大しないためにはどうしたらよいか、
ご家族への対応、入所者への対応などが当然話し合われる。
そして落ち着いて適切に、利用者に対することをお互い確認する。
そして決められたことは直ぐに現場に通知して徹底される。
これらの一連の作業は、今後に生かす大事な作業であるし、職員の教育にもなる。
感染は、老健の経営にも大きな影響を与える重大な出来事である。
インフルエンザの対策は、殆どの職員がすでに解っている当たり前のこと
なのであるが、何より大事なことはこのような時に職員全体が一体感を持つこと
であり、それを持つことにより大変な状況であればあるほど
一体感は強固なものになると思われる。
このように何かあるたびに、一体感を持ち感じることが出来ることは
職員間の融和にもつながり「福となす」ことになると思っている。
インフルエンザの会議のようなことの積み重ねが、
いつの間にか組織を形成していくのではと思う。
感覚的であるが、ビジネスでのガバナンスは上から下へ、
老健はゆっくりであっても、下から上に組織が出来ることが
望ましいのではと思っている。
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