褥瘡委員会
褥瘡は俗にいう床ずれである。
老化の進行に伴い寝たきりとなり、栄養や身体の活動性などが低下してくると
なりやすくなる。
ブレーデンスケールでは、点数化して褥瘡のリスクを予測し予防しており
注意するための良い目安である。
老健では褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、
その発生を予防するための体制を整備することが義務付けられている。
チームが設置され、診療計画がつくられていることが必要である。
老健では利用者の約4%の頻度で褥瘡の人がいるとされている。
私も以前勤務していた施設では、月一回行われる褥瘡委員会に出席していた。
チームメンバーは看護師、介護職員、理学療法士などで皆、意欲的で
楽しい会であった。
私がいた施設は素晴らしいことに、褥瘡の人がいないことがほとんどであった。
入所時に褥瘡があった利用者も入所後良くなっていた。
入所前に行われる判定会議で褥瘡の人がいると、ここに来ればよくなるなどの
介護や看護の人からの発言があると嬉しくなった。
95名前後の利用者がおり、そのうちブレーデンスケールで褥瘡になりやすい
点数の人は39名いたのに、その人たちに褥瘡を認めないので、
私は素晴らしいと思い、「褥瘡が出来ない秘訣が何かあるのですか」と聞いた。
いろいろ話してくれ、なるほどと思ったことがあった。
介護職員が主に入浴の介助をするが、その時にチェックしているというのである。
裸になっている状態で見ると、褥瘡になりそうな箇所を見出すことがあると言われる。
週二回ほど介護職員が介助して入浴するのであるが、利用者の人は慣れているので
恥ずかしがる人はいない。
しかも入浴を楽しみにしている人がほとんどである。
私は長期間、病院で働いていたのであるが、病院では回診で発見することや、
たまたま看護師が見つけて診に行くことが多かった。
考えてみると、お母さんは赤ちゃんを入浴させるときに丁寧に石鹸を付けて
洗う過程で全身の皮膚の状態を自然にチェックしていると思うが、
それと同じであるなと納得したのである。
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