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大井洋之先生のブログ 介護老健施設管理医師のやりがい日記 “日日是好日” 

Vol.71 高齢者には出来るだけ薬剤を投与しない考え

2019年01月03日

高齢者には出来るだけ薬剤を投与しない考え

 

 

 

 

 

高血圧症で長期に治療しており、下肢に老化によるものと考えられている

浮腫を認める高齢者が入所三日ぐらい後、施設に慣れてきたので

いろいろ訴えるようになられた。

時々、両足が痛くなり我慢出来ないと言われる。

診るとその日は、両足パンパンに浮腫んでいる。

既に浮腫みに対し、2種類の利尿剤が投与されていた。

 

病院からの診療情報提供書に書かれている検査結果を見ると、

むくむような疾患があるとは思われない。

薬の副作用が考えられることより、2種類の降圧薬を中止した。

中止後は連日、1日に数回看護師に血圧測定をお願いした。

薬剤を中止して2日後、浮腫は明らかに軽減しているので、利尿剤も中止してみた。

経過をみていると血圧も安定している。

 

1週間後、浮腫はすっかり消失した。

その後、車椅子生活のその利用者は、足の痛みを訴えることなく、食欲も出て、

リハビリやレクレーションにも積極的に参加されるようになった。

 

以前にもこのブログで述べましたが、過剰な医療の弊害が云われているが、

確かに高齢者の場合、いかに余計な医療を行わないか、特に薬剤をいかに

使わないかという考えも必要であると思われます。

最近ある学会により、高齢者への使用に当たり、医師が注意すべき薬約50種類が

発表された。

薬の効果よりデメリットが大きい、つまり健康への害が大きい薬剤なのに

漫然と処方され続けられる。

副作用に伴う症状を抑えるために、さらに薬が投与される悪循環も認められる。

 

老齢者の医療は、病態や予後を見据えた可能な限り薬を投与しない考えが

必要と思われます。

そういえば、医学部では行う或いは行うべき医療は学んだが、

行わない、行わない方がいい医療について学ぶことはなかったと思う。

 

私が学生の時代と比較し、今は長生きするようになった。

健常者とは異なる病態という考えより、高齢者には一般的な医療の見直しも

必要と思う。

 

 

 

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