利用者の家族との連携
家族と管理医師が深く関わる時は、利用者が転倒し怪我をしたり、
誤嚥性の肺炎になったり、風邪症状が出現したときなどである。
つまり安定した状態であった利用者が、新たな病気に罹った時や
もともとの病気が悪くなった時等で、管理医師が頻繁に
診なければならない患者になった時である。
高齢者はチョットしたことにより、生命にかかわる危険な状態に陥ることがあり予断を許さない。
このようなときには、早期に適切な処置をすることが大切なのは言うまでもないが、同時に出来るだけ早く家族に電話等で経過を報告する。
この時、「家族と共に利用者を見ている」という気持ちが大事であると思っている。
特に電話は誤解を生みやすいので、言葉に十分な注意が必要である。
わかりやすくありのまま話すことが良いと思っている。
利用者が転倒し骨折することもある。
そんな時、丁重にお詫びを言っても家族は何とも言えない気持ちとなるだけである。
我々職員も、単にお詫びするのが良いことなのかを十分考えることが必要である。
お詫びをすることにより、家族との連携が作りにくくなることもあり、
これは特に利用者に密接にかかわる介護職員に考えてほしい。
望ましいのは、家族と起こってしまったことを残念に思い、
大事なことはこれからどうしようかという事であり、
責任がどこにあるのかではない。
高齢者は転倒しやすいので、どんなに注意をしても転倒してしまうことがある。
その時に家族と連携して、いかにしてその後の対応を行うかであり、
家族との日頃のかかわりが大切である。
老健に入所すれば転倒しないと思っている家族もいるが、
そんなことはなく転倒のリスクは家にいる時と同じである。
高齢者は風邪や誤嚥などにより肺炎になりやすい。
予防の甲斐なく肺炎を発症した時、家族に報告するときにも、
丁寧にわかりやすく説明して家族に良く理解していただき
お互いの連携を構築することが大切である。
忙しい家族であればこちらから電話をしてその後の経過をお伝えする。
悪化傾向にあるときは、入院も視野に入れて報告する。
そうすれば入院せざるを得ないときに、家族も心構えが出来ており
スムースに事が運ぶ。
治療により改善した時は、家族と共に喜べるようにしたい。
「いつでも心配でしたら電話をして結構ですよ」と高齢の奥さんや
時間の余裕のない働き盛りのお子さんにお伝えするが、
だからといって頻繁に電話を掛けてこられる家族はいない。
きっと連携していることが確認出来て、安心されるのかもしれない
と勝手に思っている。
高齢者には災いが身近に存在している。
災い転じて福となすという考えでいたいと思う。
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