» Vol.54 老健施設間の交流と切磋琢磨

老健施設の風通しを良くしたい、  

MRさんとの交流を回顧して

 

 

 

病院時代と比較して、老健に勤務して大きな違いは何であろうかと考えてみた。

頭に浮かんだ一つは製薬会社のMR(医薬情報担当者)さんであった。

老健でMRに会ったことはない。

病院時代にはMRに会わない日はなかったと思う。

各社のMRと廊下で挨拶したり声をかけたり、面談の機会もあった。

 

医師になったばかりの頃は研究会の案内、薬に関する資料や本の提供などをしてもらい勉強になった。 

研究するようになり他の大学の研究者との連携、研究費のサポート、

資料や試薬の提供などの協力を得た。管理職となり学会の主催時などに随分支援をして頂いた。

 

大学病院時代は研究室に各社のMRが頻繁に訪れた。

私は研究室のチーフとして、医師が忙しい時にMRが来られても

無視することになり申し訳ない気持ちになった。

研究室は夕方の抄読会などの後に皆でコーヒー等を飲んで一休みして

雑談を交わす時があった。

私は各社のMRに忙しいと失礼してしまうので、夕方のこの時間に

みんなが揃っているので来られるようにお願いした。

その後、その時間に各社のMRが来られるようになった。

 

親しくなるにつれ若い医師も、MRが優秀であり敬愛すべき方々で

あることを知り、MRから先生と呼ばれていた若い医師達の

良い刺激になったと思っている。

この時間は各社のMR同士も親しくなる契機となり、感謝された思い出がある。

 

研究室に来られていたMRがやがて転勤となり、何十年か過ぎて

管理職となって戻られ様々なサポートを行ってくれることになり、

その度にうれしく思ったものだ。

研究では、学会などで積極的に他大学の研究者と多くの交流を持ったが、臨床ではMRの存在が我々の視野を広げる大きな力となっていたと

感じている。

 

 

 

老健に話を戻すが、看護や介護などの他の職種では施設間の交流が少しはあるようだ。

しかし私に関しては他の老健の医師がどの様にしているか、どのような考えを持っているか知る由もない。

今までに二つの老健施設に勤務して振り返ってみると、他の施設の医師との交流を持ったことがないしその機会もなかった。

同じグループ内でいくつかの施設か存在しても医師間の交流はなかった。

老健に勤務し改めて医療機関におけるMRの存在価値を感じている。

 

様々なMRとの交流を通して、学会などでは得られない

他の病院の状態やどのような医師がおり、医療状態や臨床研究など

特に意識することなく外部の様々な情報を知ることになり、

良い刺激となり他の医療施設と切磋琢磨することになっていたのでは

と今になって思う。

 

医師にありがちな、プライド高き壁を作らない様に風通しが

良くなるようにしてくれていたように感じ、このようなことは

患者の為になっていたのではと思い、今になってMRが医療に貢献

していることを再認識する思いがする。

 

老健に勤務しMRのような存在がない状態で、老健の風通しを良くして

管理医師の在り方に客観性のある評価を常に得ることが必要であり、

このことは老健の発展のためには何とかしなければならない

課題であると思っている。

 

 

 

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