新しい生活様式と施設感染対策
生活の場の看護師は、秋が近づくと「またこの季節がやってきた」と腹を括り感染対策強化モードになられていたと思います。
尊敬する先輩が現場を離れられ、久しぶりに緊張感なく秋が過ごせるとしみじみ話された事を思い出します。
新型コロナウイルス、、、もう季節性などなく常に感染対策強化モードなのでしょうか。新しい生活様式に伴い、施設感染対策のスタイルも変える必要があり、施設看護師業務も少し変わるのだと思います。
過去に経験した集団感染で印象深いのはノロウイルスです。
認知症のご利用者が水様便失禁しながら徘徊された時は、本当に困りました。他の部屋に入らないように看護師がマンツーマンで対応して下さいました。無論、その看護師は感染しました。
職員は次々に感染し、働ける人数も限られ、現場は騒然としていました。
戦場のような現場に管理医師が来られました。気がつくと現場の中心で指揮官になられていました。
「〇〇君、昼飯食ってこい。飯を食わねば戦えんぞ」
「〇〇君、きちんと休んだか?」介護職、看護職を労って下さり、士気が高まりした。
終息した時には『こんなに出来る集団だとは思ってなかった。感動した。』と朝礼や会議で管理医師から褒められ、職員は達成感を感じ、自信にも繋がりました。
そして、2度目のノロウイルス集団感染を経験した時もよい経験をさせて頂きました。
通常、どの部屋の誰に症状が出ているのか(積極的疫学調査)を保健所に毎日FAXします。電話で保健師とやりとりしますが、現場は騒然としているのでなかなか上手くコミュニケーションが取れないことが多かったように思います。
この時は保健所の感染対策担当者が男性の保健師でした。まずはすぐに出向いて下さり、顔の見える関係になりました。また、近くを通った時などもまめに顔を出して下さり、都度現場を労って下さった。信頼関係が一気に構築されたような感覚でした。
ノロウイルスはごく少ない数でも感染してしまう感染力の強いウイルスです。大抵、大部屋で嘔吐・下痢をされると、同じ部屋の方は感染してしまいます。
しかし、大部屋で嘔吐されたのに感染しない事例がありました。
私はただ安堵しているだけでしたが、男性保健師は「この処理は誰がしましたか?」とおっしゃられました。
優秀な看護師2名だった事を伝えると、「手技が熟練されていれば、拡大防止が実践できるということですね。」と言われ、ノロウイルス拡大防止は難しいと半分諦めていた自分の間違いを知りました。
翌年から、ノロウイルス対策の方向性を変えました。
全職員に感染性排泄物処理手技テストを行い、手技の完成度を高めました。試験官は感染対策委員のメンバーです。介護職の試験官の方が厳しい採点をされていたのを思い出します。
新しい生活様式に伴い、ご利用者の施設でのくらしも変わると思います。
そして、新しい高齢者施設感染対策になり、生活の場の看護師の専門性が更に求められるのではないでしょうか。
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