» Vol.47 高齢者の栄養と食事の評価

高齢者の栄養と食事の評価法「食する姿」

 

 

 

高齢者の栄養や食事の評価の見方は、成人と異なると思う。

評価するには、疾患に起因する影響が主なのか、老化による影響が主なのか、

この二つが交じり合っているのかを考慮する必要があると思います。

 

基本的には老衰の傾向が強くなり、栄養状態が悪くなるのは終末期の当然の

現象と捉えることです。

高齢者の食事摂取量からすると、成人の食欲不振と同じように食べられない

ことなのですが病気により食べられないのか、老化により多く食べる必要が

なくなってきたのかの判断が必要と思います。 

 

栄養状態の評価法には、アルブミンなどの検査値、体重、BMI、評価の為に

客観性を持たせるための計算法など様々な方法があります。

血液中で最も多い蛋白のアルブミンの値で、栄養状態を評価することもありますが、

アルブミンは疾患の影響を受けやすい、特にしばしば感染症に罹患する高齢者は

炎症反応性のCRPがアルブミンの産生に影響を及ぼすので、評価は慎重で

ありたいものです。

 

また、高齢者の低栄養でアルブミンが低下しないこともあります。 

アルブミンは、数値として得られるし、認知症の高齢者によっては採血検査の方が

体重を測るより容易です。

しかし前述しましたが、アルブミン値を頻回に測定することは利用者にメリットが

あるか疑問です。

また、高齢者の負担になる採血は出来るだけ避けたい思いがありますし、

それが書類作成の為であってはならないと思います。

 

様々な事柄から、老化や老衰兆候を察知するのですが、実際には老化により

食事摂取量が減り体重の減少をきたしたときに何をみて「良しとする」のか

難しいことです。 

 

私は老衰の兆候は、利用者の全体から受ける感じ、声をかけた時の反応、

日常の顔の表情などを重要視し、そして介護職員、看護師からの情報や

家族の意見などにより判断していますが、フィーリングで判断していることが

多いと思います。

そして、老衰の兆候が見られた利用者の食事や、栄養状態がその人にとって

「良しとする」かの判断は食事の時に「食する姿」を見ることが大事だと

思っています。

量が少なくても、おいしそうに食べられていれば良しと思います。

 

今のところの私なりの老健での食事の評価です。

 

 

 

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