ある老健施設の相談室 ~相談員の役割~
以前、私が勤務していた老健施設では診察室の隣に相談室がありました。
二つの部屋のドアはほとんど開けっ放しで、気軽にお互い入室し話をすることが多くあり、相談室の大変さはよく解かっているつもりです。
当時、相談員は3人おり、1人は通所利用者、2人は入所利用者に分担して業務を行っていました。
相談室は老健の窓口ですが、この漠然とした名称の為と思いますが外部との対応は何かと相談室の仕事になっているようでした。
長時間パソコンに向かっており、電話の対応も頻繁に行っていました。
御家族からでしょうか、電話の対応はとても時間がかかっていました。
その他に地域のケアマネの対応、入所希望の本人や家族が見学に来られたときの対応、病院の医療連携室から入院患者の入所依頼、出入りが頻繁な短期入所希望者の日程とベッドの空きとの調整など行っていました。
入所予定の日程や空きベッドを解りやすくするため、毎週、全ベッドの利用予定を表にして入所判定会議に提出されていましたが、表を眺めると大変な仕事であることが解かりました。
さらに、担当者会議の参加、入所前に家族に電話をして入所者の体調の確認も行われていました。
また、他施設の相談室との連携の為に出向くこともありました。
判定会議をスムースに運ぶための準備も大変で診療情報提供書に関することは会議前に管理医師である私に確認に来られていました。
利用者の在宅復帰を積極的に目指すようになって相談室はさらに忙しくなっていました。
施設の窓口である故なのであろうか、ベッドの利用率が芳しくないと、会議などであたかも相談室の責任のようなムードになることがあり、彼らにとっては理不尽な思いがしているのではと懸念しましたが、それだけ施設において彼らの重要性や期待度が高い為と思われました。
様々な家族に対する相談員の対応を見ていると、筋金入りの寛容な精神が感じられ感銘したことを思い出します。
家族にとって相談員は心の支えになっていると感じたこともありました。
若い相談員がどんなに忙しい時でも静かに冷静沈着に時には優しく、どの様な家族に対しても物おじせずに対応する様は格好いいと思うことがありました。
当時を思い出すと相談員が医師、看護師、介護職員等を全面的に信頼し尊重してくれていたことを感じます。
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