» Vol.38  利用者の暴力 

老健施設利用者の暴力について考える

 

 

利用者は脳梗塞後遺症の男性で、60歳になったばかりで老健では若い利用者でした。

時々「馬鹿野郎」と怒鳴ったり、ほかの利用者に暴言を吐いたりしていました。

以前、入所していた老健でも、同様に暴言を吐くことや手を出すことがあり退所となった経緯がありました。

不全片麻痺があり、車椅子をやっと使用することが出来る状態で、家族は引き取ることを希望せず、施設を頼って数か所の老健を経験していました。 

 

 

被害にあった介護職員は利用者に優しく対応し、まじめに仕事をする若者でした。

彼は利用者の暴力を受けて、かなり落ち込んでいると他の介護職員から伝え聞きました。 

このことがあり、いろいろな状況をみると管理職は介護職員に対し、利用者を思いやり、寄り添うことを常に教育しているように思われます。

これには異論を伝える余地はないのですが、この異論を唱える余地のないことが介護職員に無理な労働を強い、精神的に追い込むことがあるのではと思うことがあります。

 

そしてそのようなことが「介護職員の離職が多いことに無関係ではないのでは?」と心配になりました。

 

老健はやり方によっては、暴力行為を行うような利用者の入所をお断りすることや退所させることが出来ますが、どのようにすれば暴力的な利用者をコントロール出来るかを検討し病態的に理解していくことが必要と思います。

このような理解により介護に携わる者が、感情的にならずに利用者に対応することが出来る可能性が生まれるのではと思います。

それには施設全体で、精神科受診の適応等を含めて事前に十分検討を行う必要があったと反省しました。

 

一方では、私が知っている何人かの介護職員は優しい良い若者ですが、さまざまな面で「無防備」な感じがしています。

 

介護職員は専門職として色々な知識を得て自助努力をしてほしい願いがあります。

 

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