» Vol.74 介護士と転倒

介護士と転倒

 

 

 

 

老健の利用者は高齢で転倒のリスクが高い。

介護職員がどんなに気を配っても、仕方がない利用者の転倒がある。

介護職員は転倒が発生すると様々な反応にさらされる。

時には理不尽な目にあう事もあると聞く。

施設によっては転倒があると介護職員が責めを一方的に受けることもあるようだ。

 

極端ではあるが、利用者は転ばないもの、或いは施設において転ぶことは

不祥事と考えると、利用者が転んだ時に介護職員(当事者)は問われ、

ただ単に謝罪で終わってしまう。

周囲もこれ以上、問う事は当事者に対するイジメになると思ってしまう。

 

当事者だけが問われれば誰でもその役目を回避し、出来るだけ当事者に

ならないように考え、発展的な考えや気持ちにならず消極的な介護になってしまう。

その状態でいくら話合いを行ってもそこには不毛な話し合いしか持たれない。

 

しかし、人は転ぶものであるという考えからすると、日常の業務で、

どうしたら転ばないようにするかを考え、転んだときにどうしたら転ばない

ように出来たのか対策を考える余地が生まれる。

転ぶ可能性のある人の介護を行い、たまたま当事者になってしまったのであり、

誰でも当事者となる可能性があるという考えから話し合いが行われるならば、

全員で対策を考え発展的になり、対策のアイデアも生まれる可能性がある。

 

家族への日頃の対応も、この観点から考えることが必要と思われる。

基本的には家族と共に専門職として介護している考えのもと、

何かアクシデントが起きても家族と共有できる連携を確立しておくことが

大切であり、このことは施設全体で日頃取り組んでいかなければならないと思う。

 

人は問題を起こすということから発し、問題が起こっても、起こってしまったことを

共有出来れば、たとえ小さな問題でも全体でその背後にある大きな問題点を

改善しようとすることになると思う。

利用者や家族に対しては、専門職としての冷静な物の考え方をすることが必要と思う。

 

もちろん、転倒など利用者にとって不利なことが起こった時には、

利用者を預かっている立場として、まず誠意をもって謝罪しなければならないが、

まともな家族が望んでいるのは、そのことではなく起こってしまった後の

適切な対応と、今後同じことが起こらないように対策を考える姿勢であると思う。

 

家族の理解や信頼は、日頃の利用者への接し方や家族への対応から生まれる。

家族に我々と共に利用者を見守る共通の認識が育っていれば、たとえ転倒が起きても、

我々を責めたりせずに、転倒してしまうような利用者を介護していることに

家族は感謝し、場合によっては共に対策を考えることになると思いたい。

 

いずれにしても家族の理解が必要であるが、我々が家族との対応において

源と考えられることは一体感であり、当事者である職員一人一人いつも

背後にみんなの支えがあるという事であり、常にこれが感じられれば、

安心して業務にいそしむ事が出来る。

また、無理を言う家族や無関心な家族などに対し、毅然たる態度をとることが

出来ることも安全管理につながります。

 

事故が起こった時に当事者が心がける大事なことは、

「かくさない」 「逃げない」 「うそをつかない」

 事であろう。

 

 

 

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