風邪が流行ってしまった。
このところ季節の変わり目の為か、天候が不順で高齢者には負担になっていたのであろうか。
同じフロアーで利用者の2人が鼻かぜを引き、アッという間に広まり
16人に上気道感染症の診断で薬剤の投与を行うことになった。
一人は重症化し肺炎で、もう一人は検査を行ったら炎症反応検査が
高値で、肝機能障害を認め入院となった。
そのほかに二人の利用者は、もともとあった喘息が悪化したが
何とか改善傾向になった。
しかし、まだ風邪が完全に抜けていない利用者がおり、そのほかの利用者も元気であるが微熱があるなど気が抜けない忙しい一週間であった。
当然ながら、感染症に罹った利用者は安静が必要なのだが、
認知症の人はベッドに連れて行き安静を促しても、気が付くとフロアーに出てきている。
別の利用者も高熱が出ても、何でもないよと言われ、平然として
フロアーの長椅子に腰掛けており、何度も説得して
部屋に誘導しても、すぐに出てきて腰を掛けている。
看護師、介護職員は普段の業務に加え、感染症にかかった利用者の対応に忙しく野戦病院のようであった。
医師である私は、通常の業務の他に利用者のところに行き肺雑音の
変化を確認、検査のオーダー、家族に経過を説明するために電話、
折り返しの電話の対応など行った。
食事や水分がとれているかどうかは大事なことである。
脱水となり点滴が必要となると厄介だ。
認知症の利用者は点滴の針を抜くこともあり、危険であるので点滴するときは対応可能かも考慮しなければならない。
以前は病院勤務の気持ちが抜けておらず、この程度の肺炎などは
治さなければと思っていたが、職員の負担を考えると、
重症化の傾向となり、このままでは入院適応の可能性が高い時には
早めに病院受診依頼を行うようになった。
家族の協力が必要なので、重症化の危険性がある場合は説明し
あらかじめ入院の可能性があることを伝えておくようにしている。
こうなってきたのは、老健に務めて3年ぐらいしてからであろうか。
そのほうが入院しても、早く退院出来て施設に戻ってこられるようである。
細菌やウイルスが住みやすい体の状態にある、高齢者が集団で生活しているので仕方ないと思いながら対策を考えるが、実際はほとんど変わらない。
忙しかった日の夕方、現場の職員の顔には疲労が見え、
何とかしなければと思った。
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