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大井洋之先生のブログ <第2章> 介護老健施設施設長のやりがい日記”日日是好日” 

<第2章>Vol.8 老健を利用者の今後の暮らしを家族と共に考え決める場にしては如何でしょうか。

2019年11月12日

老健を利用者の今後の暮しを家族と共に考え決める場にしては如何でしょうか。

 

 

 

どの仕事を行っても、そこでなければ出来ないことをしたいし、

そうしたいと思うものです。

老健でしか出来ないことはないのか考えてみました。

 

老健には様々な理由で利用者は入所されます。いくつか挙げてみると、

様々な疾患で入院し退院後のリハビリ目的、家族が自宅で看ていたが介護困難に

至った為、リハビリ病院に入院していたが継続してリハビリを希望、老健で退所

を促され自宅に帰れず再び老健へなど多彩です。

 

老健施設は経営も考え、余程の問題がなければ入所希望者は殆んど受け入れている

と思われます。ところが病院から紹介する主治医も紹介される家族も老健の意義や

その制度が変化しつつあることを理解している人が少ないため、老健の適応とは

思われない利用者が入所することになります。

利用者の入所前の調査では不明であった家族の経済的な問題や家族の連携等の

問題点が入所後に分かることも少なくありません。その為に老健の目的とは

異なり利用者が全く在宅復帰の可能性が無いことも少なくありません。

またそこには経営上施設側の空床を多くしたくないこともあり長期入所を容認

しがちになります。

 

一方では老健は国の方針で在宅復帰、在宅支援の為に更に努力しなければならない

状況にあります。入所一か月後の施設のケアマネジャー、介護士、リハビリ、

看護師、医師などの多職種の職員と家族とのファミリーカンファレンス

(ファミカン)で利用者及び家族の状態を確認、把握し、ある程度の方向性を

つけて、三か月後のファミカンで今後の方向を決めることが良いと思います。

在宅復帰を家族が目指し、意欲的な場合は老健の目的に沿っているので殆んど

問題ありません。しかし、なかなかそうはいかないことが多々あります。

家族が自宅で引き取ることを最初から考えていない場合も多いし、どう考えても

家族が引き取れる状態でないこともあります。その場合、介護度3以上であれば

特養に申し込みすることを促すなどが行われます。介護度2以下で家族や経済等の

様々な問題のある時には退所が難しくなり苦慮します。

 

この様な状況の中で在宅復帰困難な利用者や家族と接し、老健を利用者の今後の

暮しを家族と共に考え決める場にしては如何でしょうか。

 

積極的に行うリハビリの強化期間が終わる3か月後のファミカンで、その後の

在り方を決め、入所から1年以内にその実施を義務づける。

その中には老衰が進行し看取りの方針や疾患の急変や進行により入院退所となる

利用者も当然おられます。それ以外の利用者は介護度3以上であれば特養へ、

或いは有料の介護施設、サービス付き高齢者住宅などに退所指導を行う。

仕方なく1年以上の入所となり入所が長期となるときは理由を明確にする。

理由が何らかの審査機関で承認されるなら、施設は在宅復帰率から除外すること

出来るようにする。このように老健における利用者のその後のコースを決める

ことを老健の特徴ある業務として介護報酬に反映させることは如何であろうか。

また、老健の意義とは異なる理由による入所が1年以上になるときには利用者の

介護料の負担が増えることも考える必要があると思います。

いずれにしても老健が利用者の状態よりもベッド稼働を最優先に考えなければ

ならない現状とは異にする方策が必要であり、老健が利用者のその後のコースを

ナビゲイトすることを義務とすることは国の財政削減の観点より有効な方策である

と思います。これらは国民が誰でも介護に関わる可能性があるので、老後の準備や

自助努力の必要性を考えておかなければならないことを知ることになります。

 

老健のシステムの明確化は、介護士などの職員の獲得や医師の獲得にも良い影響を

与えると思います。

 

 

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