» Vol.43 利用者の便秘

施設利用者の便秘対応の重要性

 

 

以前勤務していた施設では、利用者の便秘の状態は毎日のように看護師から

報告を受けていた。

「〇〇さんは4日間排便がない」「昨日、様子を見たが排便がなく3日目」

などである。

下剤を服用しているが、効果なく便秘が続く利用者は少なからずいる。

認知症の高齢者のほとんどは排便困難である。

 

便秘の報告と共に「下りています」とか「下りていません」とベテランの

看護師が伝えてくれる。 

どうしても必要な利用者は、肛門から指を入れて確かめる直腸診を行い

便が肛門近くまで下りているのか、いないかを教えてくれるのである。

 

肛門近くまで下りていれば坐薬の使用や浣腸、どうしても困難な場合は摘便を行う、

下りていないなら、もう少し強めの下剤で経過を見るなどの目安としているが、

直腸診を利用者が嫌がることはない。

おそらく看護師がベテランで素早く行い、苦痛が全くないのだと思う。

また、認知症の人も過去に便秘の苦痛を味わったことを憶えていて協力的と思われる。

 

仕事とはいえ、看護師が嫌な顔一つせずに直腸診を行うことには頭が下がる。

 

たぶん愛おしく思う気持ちがどこかにあり、これらのことが難なくできるのである

と思う。我々が赤ちゃんをみるのと似ているのであろうか。

 

排便コントロールは高齢者にとっても重要な事で、特に認知症の高齢者は

注意が必要である。

 

介護職員は排便介助の時に、便の量や色などを観察してくれるが、

利用者の中には観察前に直ぐに流してしまい、排便があったかどうか

忘れてしまうことがある。

排便回数など記録しているのであるが、便秘が疑われる時には腹部の診察を

して便がたまっているか確認する。

便がつまって麻痺性のイレウス(腸閉塞)になった例もあり注意が必要である。

 

認知症の人が「ここは私の家なのにみんな断りなしにいる。とんでもない人達だ。

先生何とかしてくれ」と大声で泣き叫んでいるので、記録を見ると

三日ほど便が出ていないようだ。

 

気になり浣腸を行ったところ大量の便が出て、トイレからスッキリした顔で出てきて

何時もの状態に戻り笑顔が見られた。

認知症の高齢者の便秘は小児と同じような気持ちで対応することも必要である。

 

 

 

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