高齢者医療・・胃瘻(いろう)の適応
胃瘻の適応はケース・バイ・ケースであると思う。
特に自分では意志を伝えることが出来ない利用者の家族は、よく考え判断することが必要である。
93歳の女性で3年前に脳梗塞が再発し、意識のない状態(植物人間)となり、家族の希望で胃瘻が造設され経管栄養で過ごすことになった。
退院後、家族の介護休養(レスパイト)の目的で時々、老健を利用されていた。
入所中、明け方に嘔吐しその後、38℃の発熱を認め誤嚥性性肺炎の診断で治療を開始した。
肺炎は重症化し、経過中に入院の有無を含めて何回か家族にお会いし、経過の報告を行った。
60代後半の娘さんは、こちらの説明をよく理解されていた。
ようやく改善の兆候が見え始めた頃、診察室で娘さんとお会いし経過の報告をしていた時、話の途中で「いろいろとあり胃瘻を造ってしまったのですが、長い間、可哀そうな思いをさせてしまいました。」と娘さんがしみじみと言われた。
その利用者はその後、肺炎は改善し退所された。
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