薬を少なくすること・・良いことも多くある
80歳を超えているその利用者は、入所時から精神的に不安定で食事を食べたり食べなかったりで、夜間は頻繁にトイレに行くなどの症状があり、何か病気が潜んでいるのではと不安でありました。
診察や血液検査でも特に異常がなく、もしかして薬の影響ではと思い、家族の了解を得てほとんどの薬を止めてみました。
するとみるみる改善し食欲も出て見違えるほどになりました。
高齢者を診るようになりこのような例をいくつも経験しました。
「ひょっとするとこれは医師の習性?では」と思いました。
患者を何とか良くしようと薬を投与する。すこし改善したかに見えたが、そのうち以前の状態となり別の薬を追加する。
この時、今までの薬を止めて別の薬を投与することはなかなか出来にくいのは今までの薬が効いている可能性を否定出来ないからです。
老健の利用者は入所前の担当医が投与した薬を継続投与されるのであるが、投与した時期の詳細な状態が解らないので中止しにくい。
薬を追加して幾分よくなったような感じであるが、いま一つ思わしくない状態でさらに違う薬を追加し、この利用者のように血圧や高脂血症の薬など合わせて20種類の薬を投与することになったのではと思った。
医療施設は所謂出来高払いであるので経営的には問題ありません。
家族も本人もこんなに薬を処方してくれる熱心な先生に感謝している。
薬好きの利用者に薬を中止することを納得させるにはエネルギーが必要です。
老健では毎日のように介護、看護、リハビリの職員が利用者を観察してくれるので思い切って薬を中止することが可能です。
老健は包括化なので薬を少なくすることは経営的にも良いことなのです。
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