» <第2章>Vol.2 施設長として勤務してから

老健の医師(管理医師)について再考し新たなステップへ

 

 

施設長に就任してそれほど日が経っていない私が思い描く

老健における医師像は管理医師として勤務していた頃と比べかなり変化してきた。

良い医師に来てもらいたいということは

老健の経営者や職員の強い願望である。

施設長として管理医師の時に関与しなかった組織の運営に携わるようになり、

今の立場から管理医師について再度考えてみた。

老健の殆どの医師は過去にそれぞれ医学の道を歩み、

其の後、管理医師に就いたと思われる。

管理医師として新たに出発するのであるが、この時、過去にとらわれず、

管理医師を一般の医療施設の診療科とは異なる専門性ある職種と

考えてはどうであろうか。

そう考えることにより、医師は目標を描いて管理医師として成長し

老健施設の発展に寄与することになると思う。

 

以前、私が描いていた管理医師像は、内科専門医として経験した

延長線上に位置していた。

同様に個々の医師も当然、こうあるべきという医師像を描いていると思うが、

それらの医師像は老健の経営者や職員さらには利用者や家族が望む

医師像とは必ずしも一致しない。

老健での医療は医師の資格を持っていれば誰でも対応可能であると思う。

例外はあるが施設に入所する利用者は医療施設で多くは診断され

治療方針が決まっていることもあり、医師は管理医師として勤務し3か月ほどで

日常の業務に慣れ老健での医療上の管理が可能となる。

ほとんどの医師はその間、利用者の為に自己学習に励むからでもある。

 

 

 

老健では入院依頼を含め医療上困難と思われるときは臆することなく

関連病院などに受診を依頼することが出来る。

また、私の知る老健施設においては、医師に対し看護師をはじめ

多職種の職員は協力を惜しまない。

そして彼らに教えられることも少なくない。

大事なことは老健が求める医師像は、風邪を引いて発熱、

咽頭痛などの症状を訴えている利用者を職員が伝えたときに

直ちに丁寧に利用者に対応し診察してくれる医師であり、

「カゼだろ」と利用者のところに行かず

聴診器を持たず処方箋のみ書く医師ではない。

漠然とした表現であるが、医療にはサイエンスのみではなく

アートの部分が必要と言われている。

老健では医療の医学的知識つまりサイエンスが必要なのは当然であるが、

それ以上にアートの部分が大きい割合を占めていると思う。

アートの部分とは何であろうか。

医師としての経験と共に高齢者を敬う気持ちや

愛おしく大切に思う心から発するのかもしれない。

利用者や家族及び職員に対する医師の誠実な対応は行われている医療以上の

良い効果を利用者のみならず、職員にも与えるものである。

このようなアートの部分を必要とする医師としての仕事は

最先端の医療現場では少なくなっている。

しかし 老健では大切なことなのである。

老健の管理医師はどの分野の医師でもなりえるし、

老健の医師が此処で言うアートの部分の重要性を理解すれば

大変遣り甲斐のある職種である。

老健の利用者は高齢者であり、その家族もまた高齢者であることが多い。

高齢者医療は現在の医療の枠内に収まらない未知の事柄が少なくない。

老健の大事な役割として在宅復帰及び支援、看取りがある。

老健において医師は在宅復帰に際し家族の絆の大切さを説くこともある。

又終末期を迎えた利用者の家族と様々な話をすることもある。

そのようなことを行った時に医師として若い時の自分では出来なかったことが

齢を重ねたことにより出来るようになっていると感じることがある。 

管理医師はそれぞれの医師が歩んできた様々な人生経験が生かせ、

医師としての在り方が施設に大きな影響をもたらすことのできる

専門性の高い職種と私は考えている。

老健に多くの医師が参入することは高齢者の医療、介護、看護、リハビリ等の

分野を発展させることに繋がると信じている。

 

 

 

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